- 2005.02.18 Friday
みんな ええコや〜〜!!
おおきく振りかぶって (1)
ひぐち アサ
ビクビク・・メソメソ・・と、とても高校野球のピッチャーとは思えないキャラの三橋は、中学時代、自分の祖父の学園で監督に贔屓されてエースの座に居続け、そのため、他の部員から嫌われ、チームは負け続け、もうみんなに迷惑かけてはいけないとようやく決心して、公立高校に入るンだけれど、出来たての野球部になりゆきで入部、彼の細やかなコントロールを生かせるキャッチャーに出会い、女性ながら的確な指導をしてくれる監督や個性的なチームメイトと共に甲子園を目指すのだった・・・
かなり大まか過ぎるあらすじですネ・・でも、その昔『スラムダンク』にハマった時と同じく、最初からどんどん引き込まれていって、野球と言うかスポーツ全般、するのはモチロン、見るのも好きじゃない私なんだけれど、今年は高校野球見てみようかな・・って思うくらい。
例えば、キャッチャーのボールコースの組み立てなどが、細やかに描かれていて、何も知らない私でさえ(イヤ・・だからこそ・・!?)ヘェ〜そうなんだ〜なんて、つまらないと思っていた野球の面白さを感じたりするっていうこともあるのだけれど、何より、出てくる人々が、脇役、あるいは、普通のマンガだったら敵役となって、ある意味お座なりに描かれそうなところが、とても丁寧に描かれているところが、良いなと思う。
それは、いつも例えに出してしまうんだけれど、クドカンのドラマにも、「はちみつとクローバー」にも言えることで、一方的に主人公視点で描かれていない、脇役までちゃんと描かれていて、奥行きがある。
1〜2巻で、三橋のいた学校のチームと試合があるのだけれど、今のチームはモチロン、三橋が追われるようにして出て来た元いたチームのコ達の気持ちも、よく判るなと思わせられる描き方がされていて、清々しく、みんな野球が好きなんだね・・みんなエエコや〜〜とジンと来た。
本当に野球が大好きな作者だな・・というのが、読んでいても伝わってくる濃さというか、盛り沢山さっていうのでしょうか・・キャラの描き方も、ストーリーも魅力的な作品です。