『fogが作る雑誌です。アラウンドリネン around LINEN』
なるべく雑誌は買わない様にしているのに、今日も見つけてしまいました〜
fogの関根由美子さんが作られた本。
雑誌の様に・・・と作られたけれど、定期的には出せそうにありません・・と後ろに書いてありました。
でも、1年に一回で良いから、次を見てみたい素敵な本です。
fogのリネンを使われている人達のお家や暮らしの様子がまず最初に載っているのですが、大橋歩さんやサンクの保里さんなど・・今までも雑誌でおみかけしている方々だけれど、写真が綺麗で、レイアウトもシンプルで見やすくて魅力的です。
リネンの洋服についても、nest Robeのバイヤーの方や、fogのお店に来られた方達で、さりげないおしゃれで、刺激されました。
去年fogで展覧会をされたというクレア・ゴダードさんというアーティストのことも、初めて知ったのですが、コラージュなどの作品も、お家のインテリアも素敵で、今度ぜひ作品を見てみたいと思います。
そして、最後に「fog linen work」の商品を置いているお店を訪ねるという章で取り上げられたお店が、どれも素敵で・・
なんと、最初はアメリカのお店。
fogのものは、アメリカにも旅立っているんですね。
特に、お住まいの、やわらかな白でまとめられたキッチンは、スッキリとしているけれど、暖かで憧れます。
名前だけは知っている、福岡のスリービーポッターズも、宇都宮市のアトリエN°18トラヴァイユも、写真を見てますます行ってみたくなりました。
飾りのある生活ではなく、センスある人が、ただこざっぱりとスッキリ住まう・・私の今の憧れが具体的に見れる本。
何度も見て、イメージトレーニング!! です〜
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フランシス・ホジソン バーネット, 曽野 綾子, 山野辺進, Frances Hodgson Burnett
私の世代の女性だったら、きっと誰でもが知っているだろう、『小公女』(バーネット作)。
この本は、結婚後買ったもので、小公女のメインのストーリー以外に、細かな箇所でお気に入りの所が、私の『好き』のルーツに繋がっていてもう一度読みたいと思って買ったものなのです。
その箇所とは、まずは、裕福な頃のセーラの買ってもらったお人形の着せかえセットの描写の豪華さが、子供の頃の私には想像出来ないくらい凄くて憧れでした。
そして、もう一つは、貧しくなって、屋根裏部屋に追いやられたセーラが、友達の忘れていった真っ赤なショールをテーブルクロスにしたり、わずかに残った持ち物のトランクに入っていたハンカチや帽子に付いていた造花を使ってテーブルセッティングをする描写。
これまた、テーブルセッティングという言葉すら知らなかったのだけれども、ここの所も好きだった・・・・それは、クニエダヤスエさんを知って、テーブルコーディネートの世界を知ると、そうか〜こういうコトだったのかと思い当たり、私の『好き』のルーツはこんな所にもあったんだな・・と思ったのでした。
陸奥 A子
大学時代に初めて読んで以来、陸奥A子さんのファンですが、特に好きなのは、中学生や高校生が主役の乙女チックなお話。
この本は陸奥さんの漫画の傑作集みたいな形で出たもので、
・こんぺい荘のフランソワ
・たそがれ時に見つけたの
・金たろうくん
・おいしい恋グスリ
・わかって下さいお月さま
・雪雪物語
・作者のページ(2ページの後書き漫画)
私の初『A子』作品、『わかって下さいお月さま』も、ほれ薬を作るという設定と、その女の子が憧れる男性の姿のユニークさが印象的だった『おいしい恋グスリ』も好きなのですが、何より、貧乏ながら、イラストレーターを夢見て、コンペイ荘で慎ましくも可愛らしく暮らすフランソワ(ペンネーム。心に名前をつけるとしたら、これしか無いと付けたそう・・)のストーリーが、とても好きで、今でも時々引っぱりだしては読んでます。
陸奥さんのファンだという、杉浦さやかさんも、最近読んだ本で、これからは、自分の中の毒も出していきたい・・なんてコトを語っておられましたが、年令、経験を重ねれば、可愛いだけでは表現しきれないというのも納得で、陸奥A子さんの作品も、最近では人生のもっと重いテーマを取り扱われるようになっています。
透明感のある独特の雰囲気は今も変わらず素敵で、やはり新刊が出れば買ってしまうのですが、フワフワと夢みたいなお話が好きな私は、いつかまた、大人を主人公でも、可愛い作品を描いて欲しいな・・などと思ったりします。
今この本は品切れ中だけれど、文庫版の方に作品は載っているようです。
佐々木 美穂
コラージュやイラストが大好きな佐々木美穂さんの初めての本です。
何といっても、2003年の個展で買いたかったけれど、私にはとても手が出ないお値段だったので、買えなかった美穂さんのコラージュが沢山載っていて、それは表紙を見ても判るように、とってもさり気なくてシンプル。
ノートの切れ端にちょこっと色のついた紙が貼られていたり、ビリビリと破られた紙にチョコチョコっと色鉛筆かクレパスのようなもので、色がつけられていたり・・・どれもなんてコトないさり気なさなんだけれど、見る度に、これ好き!!大好き!!と、胸が締め付けられる・・・なんでかな・・紙好きノート好きな私の心のドコかに訴えかける何かがあるのかな・・
毎日の生活を大事に、丁寧に暮らしておられるンだな・・と、感じられるエッセイも素敵です。
以前雑誌から切り抜いた記事で、その頃はただ素敵なお部屋だと思っていたのですが、実は佐々木美穂さんがちょうどZAKKAのお店で働かれた3年間を経た後の頃だったんだなと判って、沢山ある切り抜きでずっと心に残っていたわけが判ったような気がしました。
シンプルというか”〜風”という色は無い、普通なカンジなんだけれど、一つ一つ自分の好きな物を丁寧に選び使われているんだな〜と判るお部屋で、それは、高橋みどりさんのお部屋にも通じる、普通さ、まっとうな暮らしが背景に見えるお部屋なんです。
日常が大事ってコトなんですネ・・。
仲世 朝子
「のんちゃんジャーナル」(仲世朝子/マガジンハウス)
1988年に出た、オリーブで人気だった仲世さんのイラスト&エッセイの本で、この頃、私と言えば、まだ幼児でやたらとチョロチョロと迷子になる次男に振り回されていた頃で、この本の存在は知らなかったのでした。
去年だったか、偶然に手に入れたのだけど、可愛いイラストで描かれたパリの街角があると思えば、同じように可愛く描かれたサザエさん美術館もあり、昔のハリウッド映画のオシャレから、ババールやザジなどなど、オリーブをリアルタイムで愛読していた、今の若い人達の好きが詰まっていて、そのルーツ、ただ一つの言葉から広がる同じイメージの共有というか、時代の空気が感じられました。
洋書や絵本、可愛い文房具など・・私が好きだったものも沢山あって、そういう可愛いモノがどの辺りにあるか手探りで探していた私の時代とは違って、生まれた時から可愛いモノがまわりにあった人達がオシャレなのは納得だな〜と、この本を見ていて思いました。
でも、オリーブ少女の母の年代(それ以上かな・・)となった私でも充分ワクワク楽しめる「可愛い」の世界・・・コレは女と生まれた幸せの一つだと、私は確信するのでした・・。
-CONTENS-
愛犬プリッツがやってきた日
エキゾチックフルーツパーティー
ハリウッドのドレス博士
アロマテラピー研究ノート
オランダからきた花束
やっぱりザジにはかなわない
オーダーで作った赤い靴
パリ、スケッチブック
おしゃれ泥棒カートゥーン風
スーザンのライティングデスク
憧れのダディ・ロングレッグズ
フランス語のレッスン、スタート
イカしたタイトル、ピックアップ
ババールは絵本の王様
ベトナムの味、おぼえたよ
納涼ゆかたパーティー
洋書屋さんのジャパン・コーナー
はじめてのバレエ・レッスン
サザエさんの美術館のスーベニア
おいしい飲みもの新発見
ママに教わった喫茶店ノート
リー・ベイリーはわたしの先生
日曜日はシューシャシインガール
ピーウィー・ハーマン愛してる!
ちかごろポップな色が気になっちゃう
『ふたりのロッテ』の映画のお話
タイプライター文字がにあう詩
画材屋さんでいいものみつけた
クリスマスのお気に入り
おじさんの宝物
クリスマス・プディング作ってみたよ
岡尾 美代子
オリーブなどのスタイリストとして有名で、名前を聞いてアア!!と思い当たる数少ない(私が・・)スタイリストですが、最近は、こんなふうに、ご自分の写された写真とエッセイの本でお目にかかることが多いです。
名前を認識したのは、ほんとに最近で、実はオリーブから出された雑貨の本も持っていたのに、名前は覚えて無かったのでした。
ちょっとボケっとしたポラロイドの写真が、とっても雰囲気があって、のんびりとした雰囲気のエッセイとよくあっていて、最近の若い人が、ロモとかピンホールカメラとかポラロイドとか、どんな風に写るか判らないようなカメラを好むのが、ようやくわかったような気がします。
カメラが大人しか持てなかった、私の子供のころから、まるでスパイ映画のように、通信機器(携帯電話です)と超小型カメラが誰でも持てる時代・・・ピントピッタリが必ずしも大事ってわけでは無いっていうのは、カメラを使う人の成熟ってコトなんでしょうネ。
このエッセイは、アフタヌーンティーのHPに連載されていたものをまとめらたものですが、こうやって、本の形になっているとまた味わい深く、そして、まるで栞のように所々にプリントされたリボンとか、写真の配置の面白さとか、いくらパソコンが発達しても、手にとってページをくって見る本の楽しみは無くならないナ・・と、本の良さを味わう一冊です。
隆 慶一郎, 原 哲夫, 麻生 未央
古本屋巡りが好きな次男が買って来た本で、普段は息子の漫画はあまり見ないのですが、以前、多分「スラムダンク」にハマっていた頃にジャンプで見ていたので、ちょっと読んでみたら、面白くて止められない・・。
秀吉が天下を取った辺りの 安土桃山時代の、前田利家の甥の前田慶次という男が主人公のお話しなんですが、この原 哲夫さんて、かの有名な「北斗の拳」の作者で、ソッチの方は、テレビアニメで見たことはあるけれど、残虐なシーンが多くて、好きでは無かったのですが、こちらは、連載時も、けっこう楽しんで見てました。
絵的には、少年漫画というよりも、劇画なんですが、出て来るキャラが、3メートル以上ありそうなトンでも無いデカい人間はまだ序の口、頭だけで人の身長くらいある、もう妖怪大頭かい??ってな人間や、戦車くらいありそうな慶次の馬などなど、とんでもないキャラが続々と出て来て、ストーリーも波乱万丈というか、なんというか・・ソリャないでしょう・・いくらなんでも・・って突っ込み入れれば切り無いだろうけれど、でも読んでいてホントに面白いし、時にはウルウルきたりして・・(年のせいかしら・・)
通な漫画では無いのでしょうけれども、漫画の楽しさっていうか、少年漫画ってこういう所が面白いんだナ〜って思える、ハデさかげんがとっても素敵!!
「ハチミツとクローバー」も、陸奥A子さんの「わかってくださいお月さま」も、今市子も好きだけれど、でも、こういうのもスカッとして面白いです。
ジャンプがとっても元気だった頃の漫画だな〜って思います。
サラ ファネリ, Sara Fanelli, ほむら ひろし
この絵本は、ルーシーと言う女の子の日記という形なのですが、次々にその日記に出て来た、様々なモノ達の日記が展開されます。
「椅子の日記」「くもの日記」「ホタルの日記」「ナイフとフォークの日記」「ブブ(ルーシーの飼い犬)の日記」「テントウムシの日記」ときて、「ルーシーの日記 つづき」で終わります。
内容もとっても面白くてユニークなのですが、各々の日記が、様々なノートに書かれていて、まるで誰かの日記をホントに覗いているようで、ノート好きな私はもう、嬉しくて嬉しくて!!
そして、その中身が、色々なコラージュで出来ていて、それがまた素晴らしいのです。
絵本だと、どうしても手にする人が限られて来るとおもうのですが、コレは、全国のノート好き、コラージュ好きに見て欲しい1冊です。
そして、最後のページの作者と翻訳者の説明のところに、「好きなものは〜〜〜」と続いて、まん中を横棒で消された「他人の日記たちをのぞくこと」なんて書いてありました!!
「私も!!私も!!」なんて、思わず声が出そうに・・こんな風に、可愛くて楽しい日記なら、誰だってきっとのぞいて見たいヨ〜!!って思いました。
ア〜こんな風なノートをいつか作って見たいです!!
クニエダ ヤスエ
クニエダヤスエのキッチンアイディアブック(講談社/昭和57年12月1日第一刷発行)
今から20年以上前の本なんですネ・・改めて驚いてしまいます。
今でも充分通用するセンスあるカワイイ台所。
キッチンの整理や道具の揃え方、エプロンやランチョンマットの作り方などなど・・私は、キッチンの棚の中までも、使いやすくそして色を揃えてコーディネートされたクニエダさんに憧れてしまいました。
棚にキッチンクロスを敷くというのも、初めて知って、今でも真似していますし、棚一杯に詰まったグラデーションのテーブルクロスや赤の柄で揃えられたカトラリー、使いやすそうで可愛い白木の引き出しなどなど・・全てが新鮮で憧れでした。
アメリカや北欧がお好きだった(多分・・)クニエダさんの色使いは、パキッとしていて、当時、テーブルコーディネートと言うと、ヨーロピアンな格調高そうな本格的なものしか無かったので、可愛くて大好きでした。
とても合理的な考えの方で、システムキッチンとかでは無いのだけれど、使いやすく、ご自分で手を入れられたキッチンが、赤と白でコーディネートされていて、とても可愛いかったです。
最近テレビで見て、ちょっとは変わっていても、おおまかな構造は変わっていないキッチンを見て、ホントにそういう風に生活されているのだな〜という、蓄積が感じられて嬉しいというか、感動でした。
一昨日のNHKの『おしゃれ工房』で出て来たクニエダさんのダイニングテーブルの後ろの引き出しの棚も、昔この本で私が憧れた棚のようで、またまた嬉しかったのです。
その時々の思いつきでは無く、本当に、合理的にオシャレに暮らしておられるのだな・・・と、尊敬してしまいました。
20年以上憧れてはいても、とても顔向け出来ないファンですが、もう一度クニエダさんの本を読みなおしてみようと思っています。
飛田 和緒
「毎日をしみじみ愛すること。これは私の永遠のテーマかもしれません。」
帯に・・・-料理研究家の飛田和緒さんが、10年以上使い込み、これからも使い続けるであろう、暮らし回りの道具たち=10年ものをご紹介します。-と、ある、シンプルな表紙に惹かれて手に取りました。
飛田さんの本は、谷村志穂さんとの共著『お買物日記(part 2)』が、初めてでした。
二人が、同じ雑貨についてそれぞれ語るこの本でファンになって、シンプルで美味しそうな飛田さんのお料理も好きになりました。
最初のページの、御飯を炊く土鍋から、包丁、お箸、湯のみ、カゴ、そして猫好きの飛田さんの猫コレクションまで、素敵な写真とお話で、様々なものが紹介されています。
20代は、自分を飾る事、外へ外へと向いていた心が、30代半ばにさしかかったころから、自分に向き合い、身の丈にあった暮らしを良いと思うようになった・・・と、飛田さんは書かれています。
50を前にして・・ちょっと遅過ぎなのですが、私も、そうだな・・などと、ようやく思い始めています。
より良いと思うものではなくて、今あるものを大事に・・難しいのですが、そういう生活も良いな・・と思います。
帯に「たわし」と共に載っている、飛田さんイチオシの台所道具、「アルマイトの鍋」が、ホントに素敵です。
西原 理恵子
帯の文句からして、凄い!!「家庭円満マンガを描いていたら、連載中に離婚してしまいました(笑)」(本人談)
私は立ち読みしていて、吹き出す事数回・・とうとう家に帰って見る事にしました。
そう言えば、「あたしンち」も、そうだった・・
ほのぼの〜と強烈!!とタイプは違うけれど、二つともお薦めのマンガ。
しかし、西原さんのマンガは、「ゆんぼくん」もそうだったのだけど、描いてる内容は、常識を遥かに越えた世界・・っていうか、ガサツっていうのか・・もう少し歯に衣着せてくれよ〜ってカンジなのですが、急にフッと泣きたくなるような、暖かいというか、セツナイと言うか・・そんなシーンがあります。
全部本音というか、ウソのナイ人というのか・・こんなにも、強烈に作者を感じさせる人も珍しいと思います。
ナントも読んでみてもらわなきゃ、判らない!!(頭悪くてスマン・・)
ただ、知ってる人に・・私は「早期教育の精霊」がお気に入り!!
私も今までに何度もこの精霊を見たな〜なんて思いました。
おしゃれについて、ファッションについてのエッセイとイラスト。
西村玲子さんは、私よりも10歳くらいお年が上のはずなのですが、ブクブクと独身時代から(控えめに見て)3段階くらいサイズがアップした私と違って、昔と体型は変わっておられないという、羨ましさ・・なのです。
・・・が、やはり年と共に、似合わなかったり、着こなせない洋服もあったり、衝動買いで失敗したり・・などなどの、お洒落にまつわるお話が、素敵なイラストと共に描かれています。
昔から、西村玲子さんの本は必ず読んでいるのですが、シンプルでセンスの良いファッションのイラストと共に、意外と私にもアルアル〜!!って思われるようなエッセイが、親近感を感じて、大好きなのです。
何も考えないで出かけて、ミスマッチな組み合わせに恥ずかしくなったり、東京駅でグループなのに素敵な団体(多分フランス人)を、どうして素敵なのかな・・と、人を待つ振りをして様子を見たり、雅姫さんを見つけて素敵だとじっくり見てみたり・・ア〜私と同じ!!と嬉しくなったり、そして、そこからのお話に、一緒に出かけてお話しを聞いているような気になったりして、楽しく読んでいます。
体型は置いといて(しつこい・・)、年齢的にちょっと前を行かれる西村玲子さんのファッションに対する考えは、なる程・・と自然に入って来ます。
若い頃とは違う、アプローチが必要だけれど、年だからと後ろ向きにはならない・・・でも、それには、似合うモノをじっくりと考えるコトも必要・・・シビアであり、どこか前向きで楽観的なエッセイを読みながら、私も今からのオシャレについてあれこれ考えてみるのです。
どうして手にとったのか忘れてしまったのですが、私も息子も大のお気に入りの漫画。
初出が1986年週刊モーニング増刊5/10号ということらしいから、もう18年も前の漫画なのです。
主人公は、大学を出てはいるのだけど、無職のコースケで、彼のビンボーだけれど、のんびりとした暮らしが描かれています。
トイレも共同、フロ無しの下宿に住む彼の暮らしは、清々しいくらいに、シンプルライフ。
テーブルなんてトンでも無い。
新聞紙が机代わりで、そこでノリ弁やカップヌードルも食べれば爪も切る・・
ガスも来て無いので、電気ポットでお湯も沸かせば、スパゲティーも茹でる。
グルメとは程遠い彼の生活なのだけど、出て来る食べ物が美味しそうなこと!!
歩きながら食べる商店街の揚げ立てのコロッケ、まん中から切って、(隣の学生の持っている)オーブントースターでアンの方を焼いて食べるアンパン・・・お金の無い3人が集めたお金で買ったお豆腐と葱と白滝で作った鍋・・などなど、どれもこれもたいしたこと無いものなのだけど、丁寧に描かれた描写と、ハフハフ言いながら食べるコースケの美味しそうな顔のせいで、読んでいるとついつい今すぐに食べたくなるのです。
食べてるだけでは無くて、お隣の学生さんの留守中に、彼のビデオデッキを借りて、図書館から借りた名作ビデオ(小津安次郎など・・)を何日も見たり、大家さんのお手伝いをして、ヘチマ水で彼女に化粧水を作ったり、じっくりと本を読んでいたり・・・
たまにバイトをするくらいでどうにか暮らしていける、のんびりした暮らしぶりは、今となってはユートピアのような暮らしかもしれません。(当時だって、そうかもしれませんが・・)
何も持たない彼ですが、お父さんのお下がりの古いオーダーのスーツは持っていたり、革靴は大事に手入れをして履いていたりで、貧しくても豊かな暮らしなのです。
最近、普段の何気ない暮らしを丁寧に・・と、アチコチの雑誌で見かけることが多くなったような気がしますが、そういう所に通じるような気がします。
とは言え、食いしん坊の我が家のお気に入りになったのは、文庫全5巻に散らばるB級グルメの数々のせいなのですが・・
中村 双葉
私がちょうど小学生だった頃、初めてバービーが日本で販売され始めたのだと思います。
それまでのお人形と言えば、ミルク飲み人形と呼ばれる、大きさはバービーよりも大きめの、西洋風のお人形が私達の遊び仲間でした。
私達は、そのお人形のお母さんになって、おんぶしたり、ミルクを飲ませたりおふとんに寝かせたりして遊んでました。
着せ替えは、お母さん達に作ってもらうか、かすかに覚えているのは、お祭りの時に、屋台のお店で売っていたこともありました。
が、お人形の大きさがまちまちだったので、どういう風に選んでいたのかな・・なんて疑問なのですが・・
だから、まずは赤ちゃんとしては遊べない、大人でファッショナブルなお人形というのが、ホントに驚きだったような気がします。
遊び方も、今度は、自分がお人形の代わりにお話をしたりして、言わば操り人形みたいにして、遊んでいたような気がします。
お人形を使ってのゴッコ遊びというのでしょうか・・
具体的には思い出せないけれど、毎日のようにお人形で遊んでいたような気がします。
昨日も書いたけれど、あまりにリアルなバービーの顔が怖いと言って、母はもうちょっと丸顔で子供っぽい、タミーちゃんを買ってくれたのでしたが、着せ替えのセットの付属品が、タミーちゃんよりもバービーの方が凝っていて、私と妹はバービーの方に憧れていたのでした。
その時の憧れのせいか、今でもバービーが好きなのだけれど、私が本当に好きなのは、お人形そのものでは無くて、セットになった着せ替えや、ほとんどが紙で出来ているのだけれど、凝った設定のバービーハウスの方なのでは無いかななんて、思ってます。
だって、数年前にバービーの展示会があったのでしたが、一番時間を割いて見ていたのは、厚紙にプリントされた劇場の「バービー&ケン・リトル シアター」。
厚紙製とは言え、赤い緞帳は上り下がりするようになっているし、背景は、お城や野外、室内などいくつもの場が用意されているのです。
なんて、詳しく言えるのも、『バービー大図鑑2』(中村双葉 著/ネコ・パブリッシング/1998/12/16)のおかげです。
この『バービー大図鑑』は、1もあるのですが、こちらはお人形中心で、2の方は、お洋服のセットや、ハウスなどの小物類の紹介が沢山あって、楽しめます。
例えば、バレエのセットだったら、黒い練習用のレオタードと発表会用のチュチュ(コレは妹のスキッパー用)とか、ベビーシッターのセットだったら、ストライプのオシャレなエプロンに、バスケットに入った赤ちゃんだけでなく、緊急連絡先のメモや電話、眼鏡に本にコーラにお菓子・・
ストーリーの感じられる細かな小物がもう、可愛いィ〜!!
私の子供時代は、テレビや映画で見る、アメリカの可愛いお家や、家にプールがあったり、車に乗ったまま映画を見たりの、あまりにも日本とかけ離れた、夢のような暮らしに憧れていました。
きっと、畳の部屋でバービーやタミ−ちゃんで遊びながら、白いドアにベッド、ギンガムチェックのカーテンのお部屋にいるような気分で遊んでいたのかな・・なんて、今振り返ると思います。
憧れの生活の夢を運んでくれた、そんな特別なお人形だったから、今でも特別な思いがあるのでしょうか。
Emily Chalmers, David Brittain
table inspirations
original ideas for stylish entertaining (emily chlmers著)
(RYLAND PETERS & SMALL)
この本は、多分日本語訳のバージョンも出いてると思います。
2年くらい前に買ったものだと思うのですが、まずは、この表紙の、ピンクを使ったコーディネートに惹かれました。
ピンクというと、ついつい甘くなりがちなのですが、これは、適度に甘く、そしてカジュアルな雰囲気がとっても気に入ったのでした。
テーブルやイスが、オールドパインであること、グラスが厚めのカジュアルタイプなこと、カトラリーがシンプルなデザインであるコトなど等、じっくり見ると色々理由があるのですが、とにかく第一印象で、久々に洋書のテーブルセッティングの本を手にとりました。
『おしゃれなテーブルセッティング』のウルフマンさんのセッティングも、当時のモノとしては、随分とカジュアルなものですが、こちらが新鮮に感じられるのは、ちょっとした小物(空き缶をストロー入れに使ったり、人工芝をランチョンマットに使ったり・・)や写真の撮り方、部屋の様子など、時代の雰囲気なのでしょうか・・
時代の流れと言えば、日本のお料理本などに見られるセッティングで思うのは、より日常感が大事にされているということ。
以前なら、ピシッとアイロンがかかったクロスが当然だったのに、今では、洗いさらしたキッチンクロスなどが乾かしたまま、しわも伸ばされずに使われていて、それがまた、素敵!!なんて思います。
こういうモノは、多分、料理研究家かコーディネーターの私物であって、その、いかにも毎日使ってます感が、その奥の素敵な暮らしを彷佛とさせて、料理により奥行きを持たせてくれるのでは無いかと、思ったりします。
丁寧な暮らし、可愛いキッチン(別にファンシーと言う意味では無くて・・)が見えて来るコーディネートと言うか・・
ファッションも、スタイリストがお店から借りて来た最新の組み合わせより、街角スナップのセンス良い人の方がより心に残るのに似ています。
ペリ ウルフマン, フタガワ アキコ, チャールズ ゴルード
『ZAKKA catalog』のバックナンバーを見ていたら、懐かしいページを見つけました。
1989年6月のZAKKA catalogなんですが、「いま、いちばんエキサイティングな都市。ニューヨークで雑貨探検」という特集で紹介されている、ペリー・ウルフマン(Peri Wolfman)さんのお宅。
テーブルコーディネーターにして、当時”Wolfman-Gold&Good Company"というお店をソーホーに開いていたのですが、今は白にしか興味ないという彼女の、白でまとめられたキッチンは、オープンな棚と言い、当時の私の憧れで、いつか彼女のお店に行きたい!!と思ってましたが、どうも、今は無いようです。
テーブルコーディネートにとっても興味があった頃だったので、日本語訳された彼女の本、『おしゃれなテーブルセッティング-THE PERFECT SETTING-』(PARCO出版)も、何度も見て、コレを見ていると幸せになるんです・・って言って、そんなことで幸せになるなんて、幸せな人ネェ・・なんて、半分あきれられたようなコトがありました。
憧れの、バスケットを使ったピクニックのセッティングから、大勢のパーティー、会社でのちょっとしたランチなどなど、とっても素敵なセッティングが一杯だったのですが、一番好きだったのは、彼女の部屋のカジュアルなセッティング。
白いソファと、ただの台みたいな、飾りッけの無いテーブルがとても素敵でした。
このテーブルが、まるで、学校の教壇みたいな正方形の箱のようで、普段は二つを重ねていて、大勢の時には、横に二つ並べて、床に座るようになっていて、それも素敵でした。
そして、今は合羽橋で買える『ペールボックス』に、中華料理のテイクアウトが詰められていて、それを柳の箱に3箱づつ入れてあるのですが、まず、このテイクアウトのボックスがオシャレで良いな〜と欲しかったのを覚えています。
クロス代わりに、キッチンタオルをしき、その上に竹の大きなトレーを一人づつ置いて、その中に、私も持っている、中国製の(多分)魚が描いてあるお皿、小さな一人ようの白いポット、斜めに置かれたお箸、麻紐で結ばれた、ナプキン用のキッチンクロス・・と、今見てもとてもオシャレでカジュアルで素敵です。